奈良県をはじめ関西一円で建設業を営む中村建設(株)のサチです。9月17日に「三方良しの公共事業推進研究会」の新潟研修会にオンラインで参加しました。代表の中村は、この研究会の理事をしています。三方良し公共事業推進研究会については、カンファレンスが毎年行われていて、2014年8月に三方良しの公共事業改革推進カンファレンスin広島では、中村建設の社員が自社の取り組みを発表しています。
「三方良しの公共事業推進研究会」新潟研修会にオンラインで参加した様子です。
当時、入社10年目の坂口さんが「マンネリ打破」をテーマに、中村建設が実施している三方良しの取り組みについて、広島開催のフォーラムで発表しました。
建設現場の高い壁が地域住民とのコミュニケーションの弊害となり、その閉鎖空間は建設業関係者の意識をも閉鎖してしまっているこの状況を打破するため、中村建設では、三方良しの取り組みを実践しています。
現場での三方良しの取り組みは、ボランティア活動など地域や現場に合ったものを提案し実行してきましたが、活動がマンネリ化し、近隣の方々に何も伝わっていないと感じました。マンネリ化の一番の原因は、目的の曖昧さでした。現場ごとに目的をしっかり把握していなかったことが、マンネリ化を引き起こし、社員のモチベーションが低下していきました。
そこで、せっかく三方良しの取り組みをするなら、もう一度原点に戻り、マンネリ化の根本原因を究明した上で、新たに3つの推進プランを明確にして(真の目的・取り組み・方法)、新入社員を含めた全社員で理解を深め、協力会社や関連会社にも協力を求めるなど新たな取り組みに取りかかりました。
坂口さんが従事した現場では、中学校の卒業式の日、サプライズで「おめでとう」の看板を張り、卒業生たちから「ありがとう」の言葉をいただきました。その一言には何ごとにも代え難い達成感がありました。
また、周囲に幼稚園や小学校がある現場では注意喚起の看板を設置したほか、仮囲いに透明のパネルを設置することで中の様子を見ることができる工夫もコミュニケーションを図る上で有効な取り組みとなりました。現場でいただいたたくさんの感謝の言葉により、やっていることは間違っていないことが確信できました。
小さな積み重ねが建設業界全体のイメージを変え、現場ごとに応じた目的を共有することがマンネリ化の打破につながります。坂口さんの三方良しの取り組み目標は、「1000の感謝の言葉をいただくことです」と、思いを口にしました。
フォーラムのパネルディスカッションで、中村社長は、「若手入職者の減少が続いている中で三方の考え方は建設業のイメージアップにもつながり、建設業を見直す第一歩になるはずです」と話していました。
■坂口さんの社員紹介はこちら→https://8-nakamura.co.jp/staff/2021-10-04/
三方良しの三方とは、住民、発注者、施工業者の三方のことです。建設業界の三方良しの考えは、近江商人の経営理念「売手よし、買手よし、世間よし」、商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる考えが基になっています。
三方良しの公共事業推進研究会は、地域住民に公共事業を理解・協力してもらうための活動を支援しています。国民の安心・安全を守るために、発注者、施工業者が協力して、良いものをより早く提供することにより、住民、発注者、施工業者の三方に利益をもたらし、財政再建にも貢献する公共事業について、個人では難しい情報発信・啓発活動を行っています。
■三方良し公共事業推進研究会のHPはこちら→https://www.sanpouyoshi.jp/
■三方良しの公共事業フォーラム2021 福島 公共事業の「伝え方」を考えるの記事はこちら→https://8-nakamura.co.jp/2021-10-06/
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