奈良県をはじめ大阪・京都・神戸など関西一円で建設業を営む中村建設（株）のサチです。

合同新入社員研修で、「解体工事」について講義をしてくれた株式会社中川組　川井営業部長のインタビューをご紹介します。

入社の目的は社員旅行のグアム

自分の立場になって考えると、新入社員には、できるだけ相談しやすい環境をつくらなければいけないと思っています。厳しいことを言わなければいけないときは、もちろん厳しく言いますが、

社会人になって、最初の段階で相談できるかできないかは、結構大事なことで、悩みながらでも相談できる環境が大事だなと思います。

内容によっては「自分で考えてごらん」というときもあります。自分は攻略本を見てゲームをするのが嫌いなんです。何も調べないで、結局自分自身に何も残らないんです。

自分で調べたことは、全部、身に付いてくると思う。

建設業が手っ取り早く稼げる業種だった

一方で、重大な局面だったり、大事な場面では、突っ走らないようにと言うことが重要かなと思います。また、これから仕事を一緒にしていく中で、自分自身も解体屋になりたくてなったわけではないんです。業界用語もわからない状態で入りました。その頃、建設業が手っ取り早く稼げる業種と言われていたんです。

初めは製造業の冷凍食品の会社に入ったら朝 7時から5時まで働いて手取り10万円だったんです。もうやめようってなりますよね。その時に、友達が中川組にいて、「社員旅行はグアムに行くらしいで」というのを聞いてすぐに「俺、建設業に行くわ」ってなりました（笑）。

紹介してもらって、面接を受けて採用されました。沖縄、グアム、北海道に行かせてもらいました。

動機は不純だったんですが、僕自身が負けず嫌いなところがあって、やるんだったら上に立ちたいなという思いがありました。僕らが若い頃にやっている「はつり工事」というのは、二人で並んでお互いに同じ量の壁を剥がすと、スピード勝負でどっちが早いか分かりやすくて、それが面白かったんです。

その後、会社の中で社内の改革があって、営業をさせてもらうことになるのですが、初め、パソコンなんて使えなかったんです。ずっと職人だったし、時代はポケベルが流行していた時代なので、スマホもないので、パソコンもわからなくて。ちょっとずつ覚えていって、今ではみなさんの前で話をするまでになりました。

一番長くする事なら楽しい方がいい

仕事って辛いイメージがあると思うんですが、その中で、楽しいことを見つけていくのが大事だし、仕事以外で楽しいことを見つけていくことも大事です。生きていく以上働いていかなければいけないし、これから、ずっと働いていくことになるわけです。せっかく、一番長くする事なら楽しい方がいいかなって思っています。

楽をするという意味じゃないですよ。楽しくするということなんです。楽しくしようと思ったら一生懸命しないと楽しくならないんです。だらだらしていても結局、自分の中で何の楽しみにもならないんです。

自分の思いを上司にぶつけていって人間関係を築いていく

学生時代で大変でしんどかったことが懐かしくなることってあるじゃないですか。仕事に楽しみを見つけてやっていくのもいいかなって思います。今回、講師の仕事をさせてもらっていますが、いろいろ資料を集めたりして、やってよかったなって思います。僕自身、職人だったのでこんな風に人前で喋れる人間じゃなかったんです。立場が変わって、こんな風に意見を言ったり、しゃべっていく場面が増えたんで、お話をさせていただくこともできるようになりました。

職人の頃は、今でいうパワハラ、口より先に手が出てしまうようなこともあったんですけど、今は、こういう立場になって、できるマックスをやって、その中で、自分の思いを上司にぶつけていって人間関係を築いていくのが大事かなって思います。

もう一回立ち上がっていこうってなればいい

今は、デジタル化が進んで、ZOOM会議が進んで、人との触れ合いが少なくなってきた中で、こんなふうに対面で話をすることって大事だなって思います。ZOOM会議は聞いているか聞いてないかわからないんです。古い考えかもしれないですが、血が通っていない気がします。人と対峙することで、血が通った会話ができるような気がします。熱が伝わらない気がします。

辛いことが多いかもしれませんが、生きていくなら楽しい方がいいと思います。仕事でも楽しみを見つけていくことが大事だと思います。技術をあげることや知識を増やしていくことも自分のためになっていきます。自分が楽しむためにやっていいんです。人に迷惑をかけないならば。これから何回も心が折れることがあると思うんです。僕も何回も折れましたから。でも、その中でもう一回立ち上がっていこうってなればいいんです。なるようにしかならないんで。