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建設現場で実際に使われていた計算道具

奈良県をはじめ関西一円で建設業を営む中村建設(株)のサチです。

建設現場では、道具の進化は激しいです。今日は、15年前に入社した社員の方から聞いた実際に現場で使っていた計算道具をご紹介します。懐かしいものや今では見ることがないものもあります。

機械式卓上計算機

機械式卓上計算機(Mechanical Desktop Calculator)は、電卓が普及する前に広く使われていた計算機の一種です。主に20世紀前半から中盤にかけて、ビジネスや科学の分野で使用されていました。このタイプの計算機は、手動または電動で操作され、複雑な機構を使って四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)を行います。

主な特徴

1、操作方法: 機械式卓上計算機は、レバーやダイヤル、ボタンを手動で操作して計算を行います。操作するたびに、内部の歯車やカムが連動して動き、計算結果が表示されます。

2、計算の仕組み: 内部には複雑な歯車機構があり、これが計算を行うための基礎となっています。例えば、足し算や引き算は、歯車の回転数や向きで表現され、結果が表示部に表示されます。

3、電動化: 後期には、電動モーターが搭載され、操作が容易になりました。これにより、より早く、正確に計算ができるようになりました。

4、表示方法: 計算結果は、数字が印字された回転ドラムやディスクを通して表示されるか、計算機の上部に設置された小さな窓に表示されます。

歴史的背景

機械式卓上計算機は、19世紀末から20世紀前半にかけて急速に普及しました。特に、ビジネスにおいて計算の効率化が求められた時代に重要な役割を果たしました。

代表的な機種

1、オデナー計算機(Odhner Calculator): 1874年にウィルゴット・オデナーによって発明された計算機で、クランクを回すことで計算ができました。

2、フランデス計算機(Friden Calculator): 1930年代に登場し、電動化されているため、手動の機械よりも操作が簡単でした。

機械式卓上計算機の衰退

電子計算機や電卓が登場すると、機械式卓上計算機は次第に使われなくなりました。これらの電子機器は、より小型で安価、操作が簡単で、複雑な計算も素早く行えるため、機械式卓上計算機の市場をすぐに占拠しました。

現在では、機械式卓上計算機はコレクターズアイテムとして扱われていますが、当時の技術の高さと、それがもたらした業務の効率化の重要性は計り知れません。

計算尺

計算尺は、数値計算を行うためのアナログの道具で、主に掛け算、割り算、平方根、対数計算などを行う際に使われます。デジタル計算機が普及する前の時代、特に20世紀前半までは、科学者や技術者が複雑な計算を行うために広く利用していました。

構造

計算尺は基本的に3つの部分から構成されます:

1、固定尺(外側): 本体の部分で、2つの固定されたスケールが刻まれています。

2、滑尺(内側): 中央にスライドする部分があり、これにもスケールが刻まれています。滑尺を動かすことで計算を行います。

3、カーソル: 透明な板で、目盛りに合わせるための線が引かれています。計算結果を読み取るために使います。

計算の原理

計算尺は対数を利用した道具です。具体的には、計算尺の目盛りは対数のスケールに基づいており、これにより、掛け算や割り算をスライドして目盛りを合わせるだけで行えます。掛け算を例に取ると、二つの数の積を求めるには、ある数の目盛りを基準にして、もう一つの数の目盛りをスライドして合わせると、その積がカーソルの指す位置に表示されるという仕組みです。

使い方

1、掛け算: 例えば、2 × 3 の計算をする場合、まず固定尺の「1」を滑尺の「2」に合わせます。その状態で、固定尺の「3」にカーソルを合わせると、カーソルが指す目盛りが「6」となり、2 × 3 の結果が得られます。

2、割り算: 割り算は掛け算の逆で、割り算したい値の目盛りを滑尺に合わせることで、結果を得ます。

 

昔は、計算尺検定というものがありました。今のそろばんのようなものです。それを持って現場で計算をしていました。

カシオ計算機FXシリーズ

カシオ計算機のFXシリーズは、世界的に有名な関数電卓シリーズです。カシオは1970年代に初めて関数電卓を開発して以来、教育、ビジネス、科学の分野で幅広く使用されています。

主な特徴

1、多機能:

・関数機能: 三角関数、対数関数、指数関数、統計関数など、さまざまな数学的関数をサポートしています。

・プログラム可能モデル: 一部のFXシリーズモデルは、ユーザーがプログラムを作成して実行できる機能を備えています。

・グラフ表示: 高度なモデルでは、関数のグラフを表示することができ、視覚的に数学的な概念を理解する助けになります。

2、ユーザーフレンドリーなデザイン:

・大画面表示: 複数行表示が可能な大型のディスプレイを備えており、計算式やグラフを視覚的に確認しやすくなっています。

・ソーラーパネルとバッテリー併用: 省エネルギー設計で、ソーラーパネルとバッテリーを組み合わせた電源供給を行っています。

3、幅広いラインナップ:

・学生向けモデル: 基本的な関数電卓から、試験や日常の計算に適したモデルまで、さまざまなニーズに対応するラインナップがあります。

・プロフェッショナルモデル: 技術者や科学者向けに、複雑な計算やプログラミングが可能なモデルも提供されています。

歴史的背景

カシオは1974年に最初の関数電卓「FX-10」を発売しました。これがFXシリーズの始まりで、以降、さまざまなモデルがリリースされました。特に1980年代以降、教育用としての需要が高まり、世界中の学校で採用されるようになりました。

代表的なモデル

1、FX-82シリーズ: 基本的な関数電卓で、シンプルで使いやすく、多くの学生に愛用されています。

2、FX-991シリーズ: より高度な関数や統計機能、複雑な計算をサポートし、理系の学生や専門家に人気です。

3、FX-CGシリーズ: カラーディスプレイを搭載し、グラフの表示やプログラムの実行が可能なモデルで、教育現場で広く使用されています。

カシオFXシリーズの影響

カシオのFXシリーズは、計算機の普及とともに、数学や科学の教育において重要な役割を果たしてきました。特に、正確で信頼性の高い計算機能とユーザーフレンドリーな設計により、多くのユーザーから支持されています。

カシオFXシリーズは、日常の計算から高度な専門計算まで幅広いニーズに応える計算機として、現在でも進化し続けています。

 

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