奈良県をはじめ関西一円で建設業を営む中村建設(株)のサチです。
今回は、中村社長のコラムをお届けします。
とかく八方美人は、悪い意味で使われる事が多い。
意味は少し違うかもしれないが、僕はこの言葉を、意見統一させる手法の一つとしてよく使う。
昔、ヒトラーなどに代表される独裁者、権力者が民衆に対して意思統一を図る方法として、よく使われたのは、民衆よりのも目線を上に置き、演説をする手法である。
当時の権力者の自宅などにあるバルコニーから集めた民衆に対して演説をする。今のベランダやバルコニーはその当時のな残りであるのだが、この方法は今でも良く使われている。
決して独裁者という訳では無いが、選挙などで、街宣車の上から訴えたりするのは、民衆に対して、しっかりと顔を見せ、その反応を見ながらしゃべる昔のスタイルを踏襲している。確かに、インパクトも強く、民衆の気持ちを引きつけると言うことで言えば費用対効果的に考えて有用な手法であろう。
当時は、貧困からの脱出を多くの民衆が望み、すがる気持ちで権力者に従った。民衆のほとんどが現状からの脱出を望む同じタイプの人間たちであった。
言わば、発信する側(権力者側)と、受信する側(民衆側)という二極の人間のみがその場には存在していた。故に権力者は、民衆側の一つのタイプに対してのみ発信をすれば全員の気持ちをつかむことが出来たのだ。
しかし時代は大きく前進し、人間の生活スタイルも多様化する中、人間の価値観も多極化してきた。
完全に人間は十人十色となっている。これは言われるまでも無く当たり前のことだ。同じ人間など存在しないのだから、生活にゆとりが出て来れば当たり前のことである。
それでは、多極化してきている人間に対して、今まで通りのバルコニー演説型で同じように全員の気持ちをつかむことが出来るのだろうか?答えはNOだ。
話し手が同じ表現で話をしても、受け手がそれぞれが持っている個性というフィルターを通して聞いてしまう。話し手が伝えたいことは、受けのフィルターの色によって変わってしまうのだ。それが今の時代である。
とあるセミナーを友人同士で聞いたとしよう。終了後、友人同士でセミナーの話について会話をしたとき、受け止め方が違うことが安易に露呈する。これが個性というフィルターである。
昔のバルコニー演説型であれば、参加者全員の賛意は尾等削りで得ることは出来ても繊細な部分では賛意を受けることが出来ないのが今の時代である。では、どうすれば良いのか?
繊細な賛意を得るためには、賛意を得たい人達に、それぞれの個性に合わせたフィルターを使い意思を伝える以外に方法は無い。では、フィルターとは何か?
当然決して物理的なものでは無い。
相手の個性、特性、性格を見抜くことである。そしてそれに合わせた言葉で説明をすれば、実は全員から同じような賛意を得ることが出来る。まるで八方美人のごとく・・・これを営業に置き換えればいい。
顧客は、当然、十人十色である。個性、特性、性格の分析をし、それに合わせた接し方をすれば、人間は必ず喜ぶ。が、悲しいかな、それをちゃんと出来てる営業マンはあまり居ない。どうしてもバルコニー演説型営業マンが多い。
是非、八方美人型営業マンを目指してほしい。成功の鍵はそこにある。
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